
この、狂いやすいという欠点を克服する最大の武器は高周波真空乾燥という人工乾燥方法でした。装置は非常に高価ですが比較的低温で乾燥できるので材料の強度を損ないません。
さて、このことは後々書いていくことにしますが、この能登ヒバの2014年の初市が1月9日石川県の穴水町の能登木材総合センターで開かれました。初市は毎年恒例で理事長のあいさつのほか、石川県の林業関係の行政担当者の祝辞などもあって、県産木材の振興に業界の発展の期待が感じられました。
木製サッシの材料の入手先は何カ所かありますが造材業,とか、山切り、とか言った仕事をする人達から買うこともあります。そのため、時には山の中まで行くこともあります。そこまでしなくてもと思うかもしれませんが、立ってる状態で木に接すると、木を大事に使わなくては,という気持ちになるものです。
森の窓では木製サッシを作り始めて今年(2011)で26年めになりますが、初めて使った木材は米松でした。当時は良質の無垢材が豊富にあり、価格も手ごろでしたが、最近は輸入材も高くなりました。もっと国産材を、という空気は時代の流れでしょう。
木製サッシに適した木はそんなに多くはありませんが、工夫次第では選択肢が広がります。その一つが複合化です。もう一つは集成です、集成というとあまり良いイメージではないかもしれませんが、木材の欠点である、そり、ねじれを止めるためには今では欠かせない技術といえます。
又、集成することによって、いままで使うことが難しかった30センチほどの直径の木も利用可能になりました。珍しい木で自分だけの窓をオーダーすることも可能なのです。
ブナ科のドングリ類の中でも国産のミズナラは日本の広葉樹のなかでも重厚で耐久性も高く、高級家具材や、フローリング材としても有名ですが、実は、高級ウイスキーの樽材として使われているのです。
栗も、楢も、大変性質の似通った木で特に栗材は湿気にたいしては日本の広葉樹のなかでもトップクラスの耐久度を持っています。
ただ、蓄積量の多い木では無いので、これまで楢材ほどには利用されてはきませんでした。また、針葉樹よりは一般的に扱いが難しいということも利用の拡大を妨げている一因かと思います。
2011年9月12日、四立方ほどの箱挽きした栗材を桟積み開始しました。今時分は気候がいいので、この状態で一か月ほど天乾して、そのあとマキストーブの乾燥室でさらに3週間ほど放置し、1週間ていど養生した後にプレーナーがけをし集成材を作ります。
栗材は、実は昔から和室のふすま戸の材として良く使用されていて、室内建具材としては十分実績のある木なのです。
森の窓のブログではこの栗材で造るドレー、キップ窓の制作工程をお伝えしていく予定です。