原材料の木

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森の窓の木製サッシの木材種はほとんど能登ヒバです。しかし、これはほんの最近のことです。長い間地元材を使うことが私(創業者)の念願でしたが能登ヒバには大きな問題がありました。それは大変狂いやすい性質を持った木だということです。しかし国産の針葉樹の中では抜群の耐候性、と耐水性を持っているという大きな利点もあります。

この、狂いやすいという欠点を克服する最大の武器は高周波真空乾燥という人工乾燥方法でした。装置は非常に高価ですが比較的低温で乾燥できるので材料の強度を損ないません。

さて、このことは後々書いていくことにしますが、この能登ヒバの2014年の初市が1月9日石川県の穴水町の能登木材総合センターで開かれました。初市は毎年恒例で理事長のあいさつのほか、石川県の林業関係の行政担当者の祝辞などもあって、県産木材の振興に業界の発展の期待が感じられました。
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 これは能登ヒバです、末口の直径は60センチをこえています。これだけの大径のものはなかなかありません。端っこから挽いて行って、これは真ん中あたりですが芯の近くでも節はあまりありません。一本で約1,5立方あります。価格は10万円をかるく超えます。

これ一本で一平方メートルの大きさのドイツ窓が何窓できるか計算してみました。材料歩留り60%、で約十窓分,製材費用,乾燥費,集成費などをいれると
木材費用は一窓当たりおよそ2万五千円ほど、そのほかにガラス、代金具代、製作費、塗装費などをいれると8万五千円~九万円というところでしょうか。

高いといえばそうかもしれませんが10窓も使えば40坪くらいの住宅がじゅうぶん作れます。 

木製サッシの材料の入手先は何カ所かありますが造材業,とか、山切り、とか言った仕事をする人達から買うこともあります。そのため、時には山の中まで行くこともあります。そこまでしなくてもと思うかもしれませんが、立ってる状態で木に接すると、木を大事に使わなくては,という気持ちになるものです。

森の窓では木製サッシを作り始めて今年(2011)で26年めになりますが、初めて使った木材は米松でした。当時は良質の無垢材が豊富にあり、価格も手ごろでしたが、最近は輸入材も高くなりました。もっと国産材を、という空気は時代の流れでしょう。

木製サッシに適した木はそんなに多くはありませんが、工夫次第では選択肢が広がります。その一つが複合化です。もう一つは集成です、集成というとあまり良いイメージではないかもしれませんが、木材の欠点である、そり、ねじれを止めるためには今では欠かせない技術といえます。

又、集成することによって、いままで使うことが難しかった30センチほどの直径の木も利用可能になりました。珍しい木で自分だけの窓をオーダーすることも可能なのです。

 

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oaktaru.jpgブナ科のドングリ類の中でも国産のミズナラは日本の広葉樹のなかでも重厚で耐久性も高く、高級家具材や、フローリング材としても有名ですが、実は、高級ウイスキーの樽材として使われているのです。

 栗も、楢も、大変性質の似通った木で特に栗材は湿気にたいしては日本の広葉樹のなかでもトップクラスの耐久度を持っています。

ただ、蓄積量の多い木では無いので、これまで楢材ほどには利用されてはきませんでした。また、針葉樹よりは一般的に扱いが難しいということも利用の拡大を妨げている一因かと思います。kurinosannzumi.jpg

 

 

 

2011年9月12日、四立方ほどの箱挽きした栗材を桟積み開始しました。今時分は気候がいいので、この状態で一か月ほど天乾して、そのあとマキストーブの乾燥室でさらに3週間ほど放置し、1週間ていど養生した後にプレーナーがけをし集成材を作ります。

栗材は、実は昔から和室のふすま戸の材として良く使用されていて、室内建具材としては十分実績のある木なのです。

 森の窓のブログではこの栗材で造るドレー、キップ窓の制作工程をお伝えしていく予定です。

展示会ヒバ.jpg能登ヒバ.木製サッシを展示しました。

8月20,21日の二日間、地元金沢市でエコ、メッセが

あり、当社が協賛するかたちで出品しました。自然

素材能登ヒバの様々な商品の一部としての展示発

表でしたが一般のお客さんが対象でしたのでヒバの

まくらやヒバ製の箸のほうの関心が高かったようでし

た。建築業界では木製サッシという言葉はすでに定

着していますが一般の人々にはまだまだなじみが薄

いようです。その分まだ普及の余地があるという事で

しょうか。

 

断熱気密性能が高い国産の木製サッシ製造メーカー
森の窓
森の窓株式会社

〒929-1403 石川県羽咋郡宝達志水町所司原栗小羽南平1
代表取締役 山本 忠嗣

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