2012年2月アーカイブ

 先日、テレビで木造校舎を燃やす実験を見た。国が数年後に木造三階建ての校舎を全国的に展開したいのだという

 私は,このニュースをみていくつかの疑問をいだいた。まず、一階の職員室から発生した炎が、わずか5分ももたずにガラス窓を破損させ、十分な酸素をもらった炎は、ものすごい勢いで三階まで駆け上がったのだった。

 この実験を指導した国土交通省には、木製サッシが20分の耐火性能をクリアーしているというデーターを持っているにも関わらずである。

 この、実験校舎の内部は十分過ぎるくらいの木材を使用した構造であったが、窓はアルミサッシで、ガラスは映像で見る限り単板ガラスのようだった。
 意外と気が付いていないのが窓の役目の中の換気、を行うということです。
そして、住宅の重要な機能の中で、「換気」をおこなうのにもっとも最適なのがドイツを代表する窓、「ドレー、キップ」なのです。わたしはブログのなかで過去何度か書きましたが、この窓はほんとうにすばらしい。

 先日、森の窓から、4トンウィング車ほぼいっぱいの木製窓が出荷されました。明石市にお住いの女性設計士さんの
自宅一棟分ですが窓はほとんど「ドレー、キップ」でした。依頼をうけて相談にうかがってからおよそ1年、途中工事の遅れで3,4か月の停滞はありましたが、ようやく納品となりました。

 この仕事は、わたしにとって久しぶりに印象に残った仕事で、ずいぶんと勉強にもなりました。電話やFAXでのやり取りは数十回におよび、普段気の付かない素朴な問題を再認識させられたしごとでもありました。

 そんな中、お客様から再認識させられたのがドレー、キップ窓の「換気窓」としての役割でした。木製窓の換気機能についてはこののちも重要なテーマとして取り上げていくつもりです。



幾多郎記念館.JPG
 旧七塚町にある、哲学者西田幾多郎先生の記念館入口にこじんまりとした建物がある。はじめてきたひとはトイレと間違えるようなちいさな建物だが実は先生の書斎を復元したものである。当時のモダニズムを取り入れた洋風建築だが、ドイツ風と言うよりは、私には北欧風にみえるのである。

ノルウェー窓.jpg これもまた代表的な北欧窓で、外開き片吊タイプで中央に方立てが入っています。蝶番は片側3個づつ,方立てが側に一箇所のロックポイントがあり、ハンドルで操作するか,簡易な締め付け金具でロックするかです。

 ただ、この手の窓は,納品後半年ほどすると必ずといっていいくらい,ハンドル側が外に反り、しまりがきつくなり、中には締まらないほどの窓も出るくらいです。

 こういう窓文化に育った北欧の人たちとっては,ごくごく一般的なメンテナンスで,自分で簡単にこなしますが,わが国にはまだ定着していません。このメンテナンスの発生率の高さが,日本での普及の障害になっているのです。

 

ノルウェー窓.jpg 

北欧まどを作る.jpg 最終ガラス入れ行程、Wが1,300mm、Hが1,000mmの180度回転窓です、このくらいの大きさが窓の大きさとしては理想的です。材料は耐久性の高い米ヒバです。木目がハッキリしない木で面白味はあまりありませんが、最近は耐久性を重要視するようになったせいか、ヒバ系統の使用が増えてきました。北欧まどを作る.jpg


雪の中の工場.jpg
どんよりとした北陸の冬も、時折こんな美しい空をみせてくれることがあります。この場所に移ってからでももう23年になりました。ほんとうに月日のたつのは早いものです。この冬景色ももう半月程でふきのとうの出る模様に変わるのです。
事務所の中から冬景色.jpg
二月になり、本格的な雪になりました。里と比べると海抜が50メートルほど高いので1割ほど雪の量が多いのです。こんな日は仕事の前に雪かきです。私の席はウィンター、ガーデンになっていて明るいのはいいんですがガラス面が多い分冷え込みも厳しいのです。今冬は特に冷え込みがきびしく、まきストーブの燃料も底をつきそうです。

 
断熱気密性能が高い国産の木製サッシ製造メーカー
森の窓
森の窓株式会社

〒929-1403 石川県羽咋郡宝達志水町所司原栗小羽南平1
代表取締役 山本 忠嗣

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