木製サッシの納まり研究

最近完成した高岡市のM邸ですが、リビングルームやプライベートルームには当社の窓を採用していただきましたが、アルミサッシも何窓かははいっています。当社の窓が外壁にそって動くため窓枠は壁面いっぱいにせり出していますが、ふつうはこのように内付けするほうが良いと思います。

内付けにすると、雨仕舞にいいのはもちろんですが、窓の保護にもなり、熱損失も少なくなります。外観的にも建物に凹凸を持たせめりはりのきいたものになるとおもいます。これは、木製サッシについても同じことでRC納まりの場合、木製サッシもこのように幅広の水切りをつけておさめます。

よくある質問ですが「木製サッシを躯体にとりつけるにはどうしたらいいですか?」ときかれます。いくつか方法がありますが、ひとつはRCを打つ時にあらかじめ木下地を躯体に埋め込む方法、あるいは木製サッシの枠の外周にフラットバーをとりつけしてここから溶接付けをする方法が一般的ですが後者の場合溶接の火の粉で枠が焦げないように注意する必要があります。

アルミサッシの納まり.jpg

いよいよ、外部の納まりにかかってきました。木製サッシを使う理由は、性能の問題だけではなく見た目も大切であることは誰もが認めることです。

ドイツ窓の場合、内部の納まりより外部の納めのほうが難しいと思います。その理由は雨じまいです。妻側の壁に取り付けた場合,庇が平側に比べて少ない場合が多いので、窓額縁の上下には緩やかな水こう配をつけた方がいいでしょう。

うち開きの窓は室内の壁面近くまでよせて取り付けるのが普通ですから、当然外額縁は見込みの大きいものになります。はじめに言ったように、見た目も大切ですから、幅や出具合、また、後々取り付ける網戸や雨戸とのとり合いも考える必要があります。

 

外部付柱.jpg

この写真は、ドイツの古い住宅保存を目玉にした観光地、ゴスラーという街のものです。およそ二百年ほど前の住宅ですが現在も人が住んでいて普通の市民生活が営まれています。

ドイツではこのように窓の外を飾ることは珍しくありません。むしろ飾ってない方が不自然という感じです。花飾りだけではなく窓そのものも注意してみると、結構気を使ったデザインになっています。

実際の窓はうち開きで、外側に観音開きの外窓が付いています。断熱をも考えたいわゆる二重まどですが、この外窓は最近ではガラリ戸や板戸としてもよく使われています。外窓のコーナーに取り付けられたL型の金具はクラッシックなデザインのまま現在でもいくつかのメーカーによって、製造、販売されています。

 

古住宅.jpg

 

 

 

 

その二、の写真に予定どおり額縁をつけてみました、下側の幅広になったところは特にものを置くためではなく、デザイン上奥行き感をもたせるためにしました。

しかし、ドイツのホテル(ガスト)などであまり開けることのない廊下や階段の踊り場など窓の内側にも同じように枠幅をとり小さな飾りを置いてあったりします。廊下の窓と、部屋の窓は使い方が違うので、内側の額縁周りもちがっ来るのが本当かとおもいます。

 額縁後.jpg

 

 

 

 

 

 

DKおさまり内部.jpg
これは自宅内部からの写真で内額縁は未だついていません、窓の両側にはヒノキの柱があり
窓わくとの間には30mmほどの板をまわしてあります。
まわりはボードを張ってその上に左官壁を塗ります。ドレー、キップは吊元側にヒンジがあるので、ヒンジから10mmくらいは逃げるようにします。さらに柱との隙間が気になるので柱にすこし
かぶせるようにしようと思います。

また、額縁が厚いと窓を内側に開いたとき吊元側にぶつかるのであまり厚いいものはつかえません。
次に、材質ですが、窓はオーク材で柱がヒノキなので頭が痛いところです、実は窓は別の目的で造ったもので、本当はヒノキか能登ヒバで造った窓の方がよかったのかもしれません。
断熱気密性能が高い国産の木製サッシ製造メーカー
森の窓
森の窓株式会社

〒929-1403 石川県羽咋郡宝達志水町所司原栗小羽南平1
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