2012年1月アーカイブ

 昨年、一年間をかけて寝室とリビングを改築したのですが、内部側の仕切りが完成していないため、リビングにはまだ移っていません。奥にある寝室だけを使っているのですが朝晩、リビングを通るたびに、「寒いなー」と感じます。もっとも、仕切りの完成していない隣の広間は非暖房空間で、しかも窓側にはおおきなfix(2300X1600)と1平米ほどの硝子面積を持ったドアと窓がはいっています。

 たしかに、このおおきなfix窓は明るいし、外の景色も見れるので満足しているのですが部屋(リビング)の広さに対して開口部の全体面積が少し大きかったようにも思えます。一般的に、開口部面積は床面積の20%?25%で25%もあればずいぶんと開放的な家と言われています。

 もちろん、同じ家でも部屋によってはそれほど開口面積のいらないところもありますが、自宅の改築部分を考えたときに、今まで気が付かなかったテーマが浮かび上がってきたように思えます。
王室警護兵.jpg

  オスロ中央駅前の道を真っ直ぐに一キロほど歩くと正面に王宮がある。タイミングがいいと王宮の護衛兵の交代式がみられる。みなあまりにも男前なのに驚かされる。交代後は所定の位置で直立不動の警護体制に入るがほとんど肩がふれあうくらいの距離まで寄っての記念撮影にも応じてくれる。しかし、顔の表情はビクリともかえない。バイキングの末裔か?。
オーレスンの街並み.jpgのサムネイル画像
三、四年前、仕事関係の友人と北欧(フィンランド、スウェーデン、ノルウェー)を車でまわったことがある。これはノルウェーのちいさな港町だがフィヨルドで入り組んだノルウェーの海岸沿いにはこんな風景のところが何か所もある。観光でこの国を訪れると意外と廻りにくい国だと気が付く、もっとも有名なベルゲンへはオスロから列車で行けるが、往復だけで二日はかかってしまう。しかし、有名なフィヨルドもいいがこんな港町めぐりもこの国の魅力の一つかもしれない。

輸入オプス.JPG

  北欧からの輸入木製窓の木材の使い方に少し気になるところがあって書いてみました、これはスェーデンからの輸入品で、無塗装品を外側から撮ったたものですがサッシのたてがまちに板目材を使用してあります。

 国産メーカーではまずこんな木の使い方はしません。たぶんこってりとした塗装を前提としているからかもしれません。もうひとつには木材種です。北欧の木製窓の材料は100%欧州赤松材で、防虫加工はしてあるとはいえその効果の持続については5年から7年といった意見もあります。

 北欧からの輸入窓については住宅設計の段階から庇を十分取り、数年サイクルでの塗装メンテナンスが欠かせません。欧州赤松はそれほど耐光性の強い材ではないのです。

れはたしかオスロのシーフードレストラン、 オスロのシーフードレストラン.jpgのサムネイル画像
個人的な考えを言うと、こういう窓が北欧窓の原型ではないか思う

 シングル硝子を使った外窓の内側に10センチほどの空間があり。
さらに内開きの窓がついている。現在のようにペア硝子のない時代はこうでもしなければ北欧の厳しい寒さはしのげなかったのだろう。

 無目の入った段窓で、上下の独立した窓は左右それぞれが2個ずつの平蝶番で吊られている、真ん中にはフランス落しが付いていて観音開きになる。

 この頃の窓には気密材はほとんど使われていない、が,気密性は意外と良さそうである。この窓は中に入ってみることができたので色々観察できたが外から眺めながらの街歩きは実に楽しい、ちなみに、このレストランのシーフードとワインはたいへんうまかった。

幾多郎本館.JPG
まえに紹介した安藤先生の金津小学校体育館からほど近いところにもう一つ作品があります。西田幾多郎記念館です。この町(現在は広域合併でかほく市になっている)の輩出した偉大な哲学者の功績をたたえるために建てられたものですが、こちらの方がどちらかというと安藤風かもしれません。

 カーテンウオールの作品ですが当社の作っている複合カーテンウオールと違って、外部フレームは亜鉛引きの鉄製です。久しぶりに訪れたのですがフレーム外部の亜鉛の地肌は十年以上たっているにもかかわらず全く経年変化はありません。開口部はあまり多くはありませんがドア金具には気になるものが使ってありました。


オスロガーダモン.JPG
仕事で何度か外国を訪れるうちに、国に対する感情が変化してくることがある。今、私が最も行きたい国はノルウェーだ、はじめてこの国を訪れたのはデンマークの北端からのフェリー利用だった。もう17,8年も前になるだろうか?。そのころはそれほどこの国に関心があったわけではなかった。

 2度目は翌年、ヘルシンキからの空路で、当時のノルウェーの玄関口はオスロから少し南西に行ったところにあったフーネブーという空港だったと記憶している。その後何年かして現在のガーダモンに変わったのだが、私は、全く偶然にもオスロ(フーネブー)?ヘルシンキ間の最終フライトに出くわしたのである。

 その日、フーネブー空港のロビーにはフィンエアーの機上スタッフ達で構成する10人程のバンド演奏があり最後の曲が終わった後は花束の贈呈だった。
すこしセンチメンタルな気持ちになったことをおぼえている。

 そして、新しくできたのがオスロ・ガーダモンだ。30メートル以上もあるアーチ型の集成材をふんだんに使った建物は実にみごとだ。この国の集成材製造技術はもはや世界一と言っても良い。
 

イケアの販売戦略.JPG

 北欧風住宅には根強い人気がある、住宅メーカーとしてはスェーデン、ハウスが有名だ

が、その昔はプータロ、ホームとかノルディスカ、ジャパンとかいったメーカーが北欧住宅

を広めていた。

 家具のイケアは世界最大級の家具販売店だがその販売戦略は見事だ。

日本に何店舗かあるうちの港北店にいってみた,家具屋というよりは、北欧ファースト、フ

-ドレストランが中心のようで、お客さんはまずここで北欧スタイルを満喫する。メニューは

まったく北欧のそれだし味付けまでが北欧なのだ、サーモンのマリネを注文しスェーデン

ラベルのビールを飲む頃にはすっかり北欧に酔っ払ってしまっているのだ。

玉や展示会.jpg
玉家建設さんといえば地元石川県では実力ナンバー、ワンの工務店です。富山県にも支店があり、今回は昨年末の高岡の物件

に続き富山県で二度目の内見会となりました。

この木製窓はL型の両袖に三枚づつが引き込まれベランダと一体化した大空間ができあがる、という設計です。

木材は米ヒバを提案しました。ただ下枠は床材にあわせてオーク材とし三本のレールは段差なしのバリヤー仕様になっていま

す。

メンテ終了.jpg

 藤沢市のTさんからメールがとどきました。筑後五年、工作好きの主人が何度も挑戦

しても締まりのしっくりこない窓があるんです、ということでした。

それは、私のもっとも得意としているドイツ窓でした。納めたさきは20年以上当社の窓を

使っていただいているログビルダーさんで早速電話したところ、自分もTさんから頼まれて

いることがあるので一緒に行こうということになり、メールでの依頼からわずか二日での対

応でした。60歳を過ぎてから遠方のメンテナンスは殆どでなくなりましたが、たまの気晴

らしドライブもいいものです。帰宅したら早速、もとスチュアーデス奥様(写真左)からお礼

のメールがとどいていました。

金津小学校.JPG

 この建物は安藤忠雄氏にしてはめずらしく北欧風?の感じがするのは私だけだろうか、

実は、この建物、森の窓工場から車で20分ほどのところにあり、しょっちゅうおめにかかっ

ているのです、が、最近少し気がかりなことがあってブログにとりあげました。

 それは外部に使ってある木部材の塗装メンテです。

新築から10年近く、殆ど塗装メンテがされていない様子です。カーテンウオール部分は

金属フレームですがさらにその外側のハの字型のステーは集成材で殆ど塗料がはがれ

た状態です。この建物は町立小学校の体育館として建てられ当時は多くの見学者がお

とづれました。木部のメンテだけは予算をつけてなんとかしたいものです。

オープス複合.jpg
これは複合タイプ北欧窓です。こんなにシンプルな金具でサッシ全体が枠の外で、ほぼ180度回転します。
この金具の原型は現在でもメーカーの主役商品ですが、すこし改良が加えられてあります。それはどちらかというと窓メーカーにとっての加工工程上の改良ですが、それにしてもこの金具のユニークさは特筆ものです。

北欧の金具メーカーへの訪問

 1987年の秋、外開き窓の開発のため、デンマークへ行くことにしました。なぜデンマークなのかと言いますと、当時日本に輸入されていたヨーロッパからの窓の最もポピユラーなのがデンマーク製だったからです。

 デンマーク日本大使館の商務部へ問い合わせ、窓金具メーカーのリストを手に入れ、そのうちの二社にカタログ請求をしての訪問でした。 
 

回転窓.JPG森の窓が最初に製造を始めた180度回転型の窓金具はデンマーク製で今から26年まえ

でした。採用の理由は,ひとつの枠形状で、外開き窓,オーニング、ドア、そして回転窓と

実に四種類もの窓が作れるメリットがあったからです。

 しかし、何でもできるのは何にもできないということにもとれるデメリットもあるのです。

それから、およそ15年後新しく開発したのが写真の窓、別名、H.Windowと呼ばれています。

 森の窓で製造を始めてからもう10年以上にになりました。当社の外開窓の中で最も生産数の多いのがこのまどです。

ドイツ窓を勧めるか北欧窓を勧めるか 。それは機能と使い方によってちがってきます。

北欧金具.JPG両方とも180度回転型のまど金具ですが、同じ高さの窓を作れる金具で比較しました。

左側はノルウェー製、右側はデンマーク製です。両方とも開発から25年以上も基本てきな

形状は変わっていなく、特に左側の金具は日本に輸入されている北欧窓の殆ど窓に

採用されている。

北欧窓と国産窓メーカーとのかかわり

 国産メーカーの多くは、ドイツ窓という分類はしても北欧窓という分類はあまり認識をしていないようにおもえる。ドイツ窓以外は単なる外開き窓という範疇にいれている。それはメーカーのほとんどがデンマーク製の金具をつかって、この国のもっともポピュラーな断面形状の窓を製造しているからだ。

 もちろんデンマーク窓にも回転する窓はあるのだがそれほど出荷量は多くない。しかし北欧窓というカテゴリーはまだ認知度はうすいが、北欧系の住宅メーカーがスエーデン製の回転窓を「売り」にしている今日、遅かれ早かれこの窓の制作に着手していく必要があるように思える、そして、しかも国産材で安価に供給されるようになったとき、はじめて国産窓メーカーが外国製をこえたことになるのだと思う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  

TWO 木製窓研究会のその後の歩み

 

 自然発生的に発足した会だったので明確な目標もなく、会合の日にちの設定もほとんど不定期だった、ただ、みんなの共通の希望は高質な住宅の普及であり、そのために各自がそれぞれの立場で活動しよう、というものであった。

 

 野本氏と吉村氏はよく北海道へ出かけていた、野本氏はロト社の天窓、吉村氏は換気システムの普及、南氏は得意の文筆力をいかして住宅評論家として活躍されておられるのはいうまでもない。

 

 窓メーカーも、先進国に追いつくべく技術開発に、新商品の開発に、と余念がなかった。

当社に限って言うと、1990年後半からは複合木製窓の開発、2000年代には複合のカーテン、ウオールを手掛け、その後は再び北欧窓へとすすんでいった。

 

 それは、デンマーク窓からスエーデン窓へのシフトだった。

北欧の木製窓

 

 私は、以前、北欧についてその定義らしきものについて書いたことがあったが、それはあくまでも窓の制作にかかわるものとしての見方からであって、たとえば,経済社会から見た北欧、気候風土による分類、あるいはまた観光ガイドブックによる区分けなど、それはときどきに三カ国だったり、四か国だったりする、、、が窓に関していうと、デンマークの窓とノルウェー、スエーデンの窓は明らかに違うのである。

 

 そうすると、窓屋の分類では北欧はフィンランド、ノルウェー、スエーデンの三カ国ということになる。

北欧窓の普及にかかわった人々

 

 

 25年以上も前から、北欧から木製窓を輸入販売していた会社が何社かあった。住宅まるごと輸入というのもあったが窓、ドアが中心の商社の中で著名なのはガデりウス社、とNPKジャパン社、とくにNPKジャパン社は今、北欧住宅に欠かせない回転窓の初期モデルの販売商社だった。

 一方,ガデリウス社はミレシェ、フェンスター社の横吊りタイプの窓が中心だったが現在は同じ回転窓に切り替えている、したがって今日日本で普及している北欧窓はほとんどスエーデン製の横軸回転窓ということになる。

 

 

 

 

断熱気密性能が高い国産の木製サッシ製造メーカー
森の窓
森の窓株式会社

〒929-1403 石川県羽咋郡宝達志水町所司原栗小羽南平1
代表取締役 山本 忠嗣

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