2011年11月アーカイブ

この写真は23年10月6日現在の私のテーブルの上を撮ったものです。木製サッシに塗る色見本つくりは、本当は私の担当ではないのですが、年末から使いかかる栗材の色の調色にとりかかっているところなのです。

サッシの色の決定はほとんどお施主さんと設計士さんとで決めてしまいますが、色選定は意外と難しいのです、場合によっては色を優先すると、木材種を変えることもあります。それは、木材にはそれぞれ最も似合う色があり、その範囲をはずれるといい色が出せないからです。

木材側から見たい色の選定基準は基本的に「素材に近い色を塗る」、ということです。たとえば米松やカラマツには茶系が、あるいは、ひのきや米ヒバには肌色系といった具合です。

ところが、今悩んでいるのが栗材なのです。なかなか厄介、というのが本音です.それに、クリにはタンニンという成分が含まれていて、これが鉄分と反応すると黒く変色するのです。.同属の楢材にもこの傾向があります。

しかし、何度か試しているうちにいい色が,「栗」に合った色がいくつか見つかってきています.試作の窓も仕上がりつつあるので近近かこのブログでお見せできると思います。

 

社長のテーブル.jpg

最近完成した高岡市のM邸ですが、リビングルームやプライベートルームには当社の窓を採用していただきましたが、アルミサッシも何窓かははいっています。当社の窓が外壁にそって動くため窓枠は壁面いっぱいにせり出していますが、ふつうはこのように内付けするほうが良いと思います。

内付けにすると、雨仕舞にいいのはもちろんですが、窓の保護にもなり、熱損失も少なくなります。外観的にも建物に凹凸を持たせめりはりのきいたものになるとおもいます。これは、木製サッシについても同じことでRC納まりの場合、木製サッシもこのように幅広の水切りをつけておさめます。

よくある質問ですが「木製サッシを躯体にとりつけるにはどうしたらいいですか?」ときかれます。いくつか方法がありますが、ひとつはRCを打つ時にあらかじめ木下地を躯体に埋め込む方法、あるいは木製サッシの枠の外周にフラットバーをとりつけしてここから溶接付けをする方法が一般的ですが後者の場合溶接の火の粉で枠が焦げないように注意する必要があります。

アルミサッシの納まり.jpg

森の窓には時々見学依頼者がありますたいていは女性です。理由はよくわかりません。ひよっとしたら「森の窓」という名前から関心を持ってもらっているのかなと思ったりしています。

このお二人も最近訪問されました。ご主人は工業デザイナーで奥さんは建築士さんです。石川県の能登島でアトリエ兼ご自宅を考えておられて、木製サッシを使ってみたいとのことでした。

後ろの建物はモデル棟で北欧木製サッシがはいっています。解放中の窓はスピルカ社の回転窓で、能登ヒバ材で造ってあります。外壁材も能登ヒバの縦張りで目板張りになっています。

若い見学者.jpgのサムネイル画像

 

これはハンガーウィンドーです。左側のコーナーから90度にレールが取り付けてあります。狭い空間で全開口を取るために、右側にはふつうのドアをつけてあります。庭を挟んで隣家が90度の位置にあるため視線を避ける壁をつけ、しかも全開口をほしいという施主さんの要望を取り入れたものです。

 

RC住宅にアルミサッシでは冷たいという時には、やはり木製サッシということでしょうか。金具は日本製で、ダイケンのハンガーシステムとドイツのロッキングシステムを組み合わせて制作しました。

 

高岡市M邸ハンガー.jpg

なお、木製サッシの施工例のページもご覧ください。

高岡市M邸M.jpg

M邸内部 平成23年11月完成

M邸内部.jpg

町の商工会の建設部会の研修旅行で、名古屋市の豊田記念館に行きました。当時はまだアルミサッシがなかったので、木製の窓ということだったろうと思います。昭和初期の洋風建築の多くに上げ下げ窓が使われていて、現在でも補修されながら各地で現存しています。

最近の建築の窓の納まり位置が、外壁の外面と同いつなのに対して、此のころの納まり位置はずいぶん中に入っています。私は個人的にはこういう納まりのほうが好みですが、建設費用は余計に掛かるような気がします。

近くにある,豊田佐吉邸には引違窓が入っていてきれいに納まっていました.このころの建具職人さんも石やレンガとのとりあいにずいぶん苦労があったのではないでしょうか。

豊田記念館.jpg

いよいよ、外部の納まりにかかってきました。木製サッシを使う理由は、性能の問題だけではなく見た目も大切であることは誰もが認めることです。

ドイツ窓の場合、内部の納まりより外部の納めのほうが難しいと思います。その理由は雨じまいです。妻側の壁に取り付けた場合,庇が平側に比べて少ない場合が多いので、窓額縁の上下には緩やかな水こう配をつけた方がいいでしょう。

うち開きの窓は室内の壁面近くまでよせて取り付けるのが普通ですから、当然外額縁は見込みの大きいものになります。はじめに言ったように、見た目も大切ですから、幅や出具合、また、後々取り付ける網戸や雨戸とのとり合いも考える必要があります。

 

外部付柱.jpg

この写真は、ドイツの古い住宅保存を目玉にした観光地、ゴスラーという街のものです。およそ二百年ほど前の住宅ですが現在も人が住んでいて普通の市民生活が営まれています。

ドイツではこのように窓の外を飾ることは珍しくありません。むしろ飾ってない方が不自然という感じです。花飾りだけではなく窓そのものも注意してみると、結構気を使ったデザインになっています。

実際の窓はうち開きで、外側に観音開きの外窓が付いています。断熱をも考えたいわゆる二重まどですが、この外窓は最近ではガラリ戸や板戸としてもよく使われています。外窓のコーナーに取り付けられたL型の金具はクラッシックなデザインのまま現在でもいくつかのメーカーによって、製造、販売されています。

 

古住宅.jpg

 

 

 

 

断熱気密性能が高い国産の木製サッシ製造メーカー
森の窓
森の窓株式会社

〒929-1403 石川県羽咋郡宝達志水町所司原栗小羽南平1
代表取締役 山本 忠嗣

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