2011年12月アーカイブ

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この写真は、今年(2011年)5月にドイツのゴスラーという街で撮った、古民家再生のレストランです。
斜めに筋かいの入った古民家はドイツのあちこちで保存されていてそれほどめずらしくもありませんが、日本は筋かいを
塗り壁で隠してしまうので外には現れません。我が家の改築ではなんとかこの雰囲気を出そうと思って壁下地の上から
付け柱を取り付けてドイツ窓に似合う建物に挑戦してみました。
                               
http://morimado.com/wood/%E3%83%89%E3%82%A4%E3%83%84%E9%A2%A8%E3%81%AE%E7%B4%8D%E3%81%BE%E3%82%8A.jpg

なぜか、「ドイツ窓」
 
国産窓メーカー共通して持っているアイテムがドイツ窓、つまり、ドイツを代表するドレー.キップへーべ.シーべで、この二つの窓を作れることが、木製窓メーカーとして業界に参入する一つのステップといってよい。

 しかし、ドイツの住宅の採用率が90%をこえるドレー.キップだが日本ではその採用率は低い。それでありながら、いわゆる、「木製サッシ」の代表選手はなぜか「ドイツ窓」なのである。

 この、ドイツ窓の普及に最も貢献したのが前出の野本氏であるが残念ながら昨年還暦そこそこで他界されている。
 
国産木製窓メーカーの現状
 確たる調査データーはないが、日本国内で、製造設備を持ってオーダーに答えてくれる木製窓メーカーは十数社、そのうち本州では十社程度と思われる。

 経営規模はほとんど従業員10から15人ほどの小さな会社である。営業経歴は10年から25年でそれほど歴史のある業種でもないが、最も長いところは四半世紀を超えている。一からスタートした会社もあるがたいていは木工関連からの参入が多い。

 製造品目は、引戸、外開き窓、内開き窓、ドア、カーテン,ウオール等、外国の木製窓メーカーに比べて非常に多品種に及ぶ.殆どのメーカーは注文生産で、北欧や北アメリカのメーカーのように規格品を大量生産しているところはない。これは、日本の木製窓の業界の大きな特徴であり、ますますすその傾向が強くなってきている。

木製窓業界の歩み
 
現在、木製の窓のことを、木製サッシと呼んで、ほとんどこの呼称が、日本の建築業界に定着したといっていい、しかし、日本の窓メーカーが産声をあげた頃、四半世紀前には木製サッシという言葉は使われていなかった。ごく少数の関係者が使っていたのは、木製窓、あるいは、ドイツ窓、という言葉だった、そうして、この目新しい商品にいち早く目をつけて普及活動を進めていたのが、高橋硝子(株)の野本氏、シュレーゲル(株)の吉村氏そして関東仮設機材(株)の南雄三氏の三人である。

木製窓研究会.TWOの発足
 
前出の三人に福井セーレンの大谷氏、富山の(株)メーカーの下条氏、それに私が加わり、木製窓研究会なるものを発足させた。

 この会はずいぶんと気楽な会で,会則もなければ、会費の徴収もなく、会長すらいなかったのである。会合は不定期開催だったが、たいては北陸開催で、あるときは越前海岸のカニ料理旅館で越前ガニを食しながら、ということもあった。


 

四,五日前に突然電話があって、「お宅から買った窓ではないんですが、一部くさってきたところが出てきたのでメンテ方法を考えてくれませんか」、という依頼がお隣の高岡市の方からありました。

 高岡市までは、ひと山越えるとすぐのところなので、早速、依頼主さんのところに伺いました。18年前に建てたというご自宅で、40坪ほどの大きさに全部で十数窓入っていましたが,北面の窓の劣化が特にめだちました。

 問題点は次のようなものでした

1)屋根のひさし、窓の小庇がほとんどないこと。

2)北面のため日当たりが悪く、雨のあとの乾きが悪い、さらに窓を覆うように一本のモミの木があり日当たりをさらに悪くしている

3)外額縁材の選定に問題が、、米松、ではなく、米杉を使えばよかった。

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 2年に一度開催される、世界で最も著名な国際窓見本市がドイツのニュルンベルグで来年の3月21日から4日間開かれます。ここ数回は変わり映えしなくなったという声も聞かれますが、木製サッシメーカーの人間としてはこれを外すわけにはいかない、というのが私の個人的な意見です。確かに最近のテーマは一本調子で変化に乏しいのも事実ですが、一度行かないと四年間情報の空白期間ができるのです。これは、私にとって大変怖いことで情報発信力の低下?にもつながるのです。ま'ちょっとおおげさにかきましたがドイツに行くためにはそのくらいの理由も必要なのです。

 さて、ドイツへの行き方ですが、一般的には成田または関空からルフトハンザでフランクフルトへ直行というコースですが、12時間半という長いフライトに耐えられなくなって最近はすべてフィンエアーで、ヘルシンキ経由という方法をとっています。さらに、ヘルシンキでは当日一泊することにしています。
未だ、三か月も先のことと思うかもしれませんが大きな見本市の関係都市への乗り入れはホテル予約を含めて早め手当てが必要なのです。

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これは森の窓の事務所の窓からの景色です。川を挟んで向こう岸は杉の植林ばやしですが、すぐそばには雑木林があります。正面に写っている木は楢の木ですが、まだ木製サッシになれるほどの大きさではありません。今年は例年訪れる「木枯らし」がほとんどなく、木の葉が良く残っています。

 12月に入ってもう3日経ち、本当に日の経つのが早く感じられるようになってきました。今年もおかげさまで忙しい年でしたが、ここももうすぐ雪景色になります。冬の間もこつこつ作らないといけません。北陸はそれほど寒くはないのですがどんよりとした天気は憂鬱なものです。雪が降ったら雪景色の写真も載せますのでまたみてください。
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当社の冬の暖房は100%マキストーブです。工場で発生した木屑は圧縮され、元の体積の10分の1以下になり、マキストーブの燃料となります。ドイツ製の機械で作ったマキをノルウェー製のストーブで焚いているのですが、現在、森の窓で制作している窓の金具のほとんどがドイツ金具とノルウェー金具です。ノルウェー金具はもちろんSPILKA社のもので、10年ほど前に同社を訪問したときに買ってきたものです。ただし、このストーブ、れっきとしたノルウェー製ですがかの有名なヨツール社製ではなく、スカンデアというちいさなメーかのもので、現在はそのメーカーは海外移転をしています。

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 これは木材を削った後に出てくる木屑を圧縮したもので、会社では「ウンコ」と呼んでいます。
製材後の木は削ったり切ったりしていくうちにだんだんと体積を減らし、最後に窓として残れるのは7割ほどです。

 削りの工程で出てくる木屑は処理が大変でしたが、3年ほど前にドイツから「ウンコ製造機」を購入し、自動で圧縮することにしました。夏場は木材乾燥用に使い、冬場には事務所の暖房用にも使っています。サッシになることができなかった木も最後まで利用されているわけです。
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 11月に完成した枚方市の邸の内部です。写真は当社代理店からの提供です。
木製サッシを多く使い、日光をよく採り入れた明るいリビングになっています。1Fの左コーナーには2本の引込み戸が入っていてベランダへ出やすくなっています。

 右手には目の高さに大きなはめ殺し窓を入れ外を見やすくしています。その下には2連の突出し窓が入っていて新気の取入れを容易にできるよう考えられているようです。

 代理店さんからの注文の場合,設計士さんの意図は直接聞くことができないので推測でしか
コメントできませんが、いくつも物件をこなしていくうちになんとなく解ってくるものがあります。
この写真は輸入の木製窓です。建物はもう10年以上も前に建てられました。新築のころは本当に美しい建物でした。となりの県ですが東京や、信州に行くときは必ず通るので何度もみていましたが、ある時を境に人の住んでいる気配がなくなり空き家になってしまったようです。

 それからでも、もう5年は経つでしょう、新築当時からでも一度も再塗装はされていません。
こんなのを見ると窓メーカーとしてはやるせない気持ちでいっぱいです。幸い南面についている窓は乾燥状態が良いため木材の腐れはないものの日射が強いため塗装はほとんど落ちています。国産、輸入にかぎらずメンテナンスが最も大事だということを忘れないでほしいと思います。



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断熱気密性能が高い国産の木製サッシ製造メーカー
森の窓
森の窓株式会社

〒929-1403 石川県羽咋郡宝達志水町所司原栗小羽南平1
代表取締役 山本 忠嗣

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